胃がん

胃がんの最大の原因は
ピロリ菌感染

胃がんの最大の原因はピロリ菌感染胃の粘膜に発生した悪性腫瘍のことを、胃がんといいます。胃がんが生じる主な原因は、ピロリ菌の感染によるものです。ピロリ菌が感染し胃粘膜に慢性的に炎症が起こることで、正常だった胃粘膜の細胞ががん細胞へ変化することで起こります。実際に胃がんの約99%はピロリ菌感染が原因といわれています。ピロリ菌感染がある場合は、除菌により胃がんのリスクを減らすことができますが、除菌後も発がんのリスクは残ります。また、頻度はまだ少ないですが、ピロリ菌感染のない胃がんの報告も増えています。

胃がんは、がんによる死因の上位を占めている疾患です。その一方で、早期発見・早期治療で完治できるがんでもあります。
40歳を過ぎた方は、定期的に胃カメラ検査を受けて胃がんの早期発見・治療に努めていきましょう。

胃がんの初期症状は
無症状!?

初期の胃がんは、自覚症状がほとんどありません。そのため健康診断や胃カメラ検査などで、偶然発見されることが多いのです。進行すると、胃やみぞおち周辺の痛み、不快感、違和感、胸焼け、吐き気、食欲不振などの症状が起こるようになります。病変部位からの出血を伴う場合は、黒色便や吐血、貧血などがみられることもあります。さらに進行すると、体重減少や通過障害を引き起こします。
しかしこれらの症状は、胃炎や胃潰瘍などの疾患でも起こり得るため、胃カメラ検査を受けなければ診断は難しいとされています。
胃がんがかなり進行しているのにもかかわらず、無症状でいる方も少なくありません。
だからこそ、胃カメラ検査を受けて早期発見する必要があるのです。

胃がんの検査

胃カメラ検査とバリウム検査があります。

胃がんの検査胃カメラ検査とは、内視鏡スコープを口または鼻から挿入し、胃や十二指腸、食道などを直接観察する検査です。
検査中に疑わしい病変が発見された際は、その組織を採取し、病理組織検査を行うこともできます。早期の胃がんを発見するのに有効とされている方法です。また、胃がんの原因となるピロリ菌感染の有無も調べることができます。

胃がんの検査バリウム検査とは、バリウムを飲んでからレントゲンで胃の状態を調べる検査です。検診などで幅広く行われていますが、早期の胃がんを発見するのにはあまり向いていません。また、ピロリ菌がいるかどうかを調べることもできません。
そのためバリウム検査で異常が発見されなかった方でも、胃カメラ検査を受けてみたらピロリ菌感染が見つかったということもよくあります。今までバリウム検査しか受けたことがないという方は、一度胃カメラ検査を受けることをお勧めします。

胃がんの治療(手術)

胃がんの進行度合い(ステージ)によって、治療法は異なります。

早期胃がんの場合:
内視鏡的治療・外科的治療

早期胃がんの治療には、内視鏡治療と外科手術の2つがあります。胃の周囲にあるリンパ節を切除する必要があるかどうか(リンパ節転移が起こるリスクがあるか)によって、治療法を選択します。リンパ節転移のリスクは、がんの広がりや深さ、組織型などによって総合的に判断します。
リンパ節転移の可能性が十分低いと考えられる病変であれば、内視鏡から電気メスを出して直接病変の切除を行うESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)という治療を行います。
外科手術と異なり、開腹を行わないため、全身麻酔を施す必要がありません。また胃が小さくなることもなく、体の負担が非常に少ない治療です。
ただし切除した病変を病理検査で調べた結果、リンパ節転移のリスクがあると分かった場合は、追加で外科手術が必要となります。

進行胃がんの場合:外科的治療・化学療法・放射線治療

がんが一定の深さを超えて浸潤したものを進行胃がんといいます。がんがどこまで広がっているかによって治療法が変わります。遠隔転移がなく、手術でがんが取り切れる場合は外科手術を行います。がんの広がりによって、手術前にがんを小さくするための化学療法(術前補助化学療法)や、術後再発予防のための化学療法(術後補助化学療法)を併用することがあります。
遠隔転移がありがんが取り切れない場合は、がんの進行を抑えるための化学療法を行います。
一般的に胃がんは放射線治療の効き目が悪いとされていますが、化学療法と併用して補助的に用いられることがあります。

胃がんは早期発見できれば、体に負担の少ない内視鏡治療で完治が得られる病気です。
早期発見・早期治療のためにも、定期的に胃カメラ検査を受けるようにしましょう。

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